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【終末すなわち転換期には、あらゆる隠し事ができなくなり、毒麦と良い麦の区別が歴然としてくると言われる。この論文は、それがいま急速に起こっていることを如実に示している。「わずか4年前でさえ、誰かがこんな内容の話を私にしたら、私はわらって退けただろう」と著者自身が言っているのは、まさにそれを物語る。急速にものが見えてくるというのは、真剣に生きている者にとって、今おそらく共通の体験であろう。
 「収斂」という言葉が使われているように、我々の心の働きや活動のすべては、「ルシファー(サタン)」と「神」という二極のどちらかに帰属することを、この論文は明らかにしている。ルシファーを研究し、「ルシファーの陰謀」を暴くことによって本当の神が見えてくる。しかし、この世界の対立構造を熟知し、より智慧が働くのは、明らかに敵であるルシファーの側である。ルシファーは「光の神」でもあるので、人類が判断を誤り混乱が生じていることも、この論文は明らかにしている。
 ただ「この世の君」であるルシファーは、騙すこと、隠すことによってしか支配することができない。これが彼らの伝統的な最大の弱点だと言えるだろう。ルシファー教の高僧であるイルミナティのそうしたやり方と弱点が明らかになったのは、特に9.11以降である。
 筆者のフィリップ・ジョーンズ氏は、たとえばデイヴィド・ウィルコックやデイヴィド・アイクのような天才とか特異能力者のタイプではなく、熱心だが普通の探究者である。このことが却ってこの論文の価値を高めていると思える。】

 

ルシファー最後の蜂起
(Lucifer Rising)

By: Philip Jones

黙示録12:12 それゆえに天とその中に住む者たちよ、大いに喜べ。しかし地と海に住む者はわざわいである。悪魔が、自分の時の短いのを知り、激しい怒りをもって、お前たちのところへ下ってきたからである。(下線部分訳者)

序にかえて

私Philip Jonesは研究者でも著述家でもないが、幸いにも時間的余裕に恵まれて、「ルシファーの陰謀」とこのエッセイで呼ぶものの研究に、多くの時間を費やすことができた。以下に述べること私の独創でもなく新しい見方でさえない。その大部分は、私の個人的見解を除けば、別の所にもっと詳細な説明が見つかるだろう。そのために私は末尾に十分な参考書目をあげておいた。私がここで試みるのは、William L. Sutton, Fritz Springmeier, William F. Jasper, Henry Makow, David Livingstone, Texe Marrsといった優秀な研究者たちの著作から情報を拾い集め、上の聖書の予言にあるように、ルシファーが我々の間に存在することを示す証拠を要約して示し、この21世紀の初頭に我々が国際的規模で経験しつつある破壊行為と混乱は、聖書に述べられているような、永遠の敵による何千年にもわたる策謀と計略の総仕上げだということを、示すことである。

たった4年前でも、もし誰かが似たようなことを私に対して主張したとしたら、私はきっと眉をあげて、礼儀正しくかどうか、そんな考えを退けたであろう。しかし過去数年にわたる私の研究のすべては、次のような結論へと私を導くものだった――ルシファーは現実であり、この地上に、この次元世界に存在するということ、そして彼の血筋に直接つながった者たちと彼らの傀儡によって、彼は自分自身あるいはその代理者を、「世界国家」の王座につけ、自分をその唯一の神とする新しい宗教を始めようとして、破壊と大混乱を起こしつつあるということである。

イルミナティと、人類を減らし奴隷化しようという彼らの悪魔的な謀略を研究している間、私はごく最近まで、この「世界的陰謀」が、その幅と深さと範囲において比類のないものだという側面に気付かないでいた。私の言っているのは、「新時代運動」(New Age Movement)と、そこに「世界宗教」を導入しようとする計画のことである。私はこのことについて、できる限り短く要領よく述べようと思うので、読者には辛抱強くお付き合い願いたい。ここでの私の究極の意図は、上にあげたような人たちの献身的な仕事を人々に紹介し、それによって多くの人々が確かな理解に至るようにすることである――すなわち、その神秘性の宣伝と見かけの多様性にもかかわらず、多くの人々が現在「虹色の陰謀」と呼んでいるものは、実は「ルシファーの陰謀」であることを理解していただくことである。

以下、私はこの種の論文に可能な限り、多くの点と点をつないで、新時代運動が「計画」と呼び、フリーメイソンが「時代の偉大な仕事」と呼ぶものの、多くの連結する側面を貫いている一本の赤い線を明確にしようと試みた。それをどう呼ぶとしても、このエッセイの終わりまでには、我々の取り組んでいるものが、神に対するルシファーの反逆であることが明らかになるはずである。


遠くの神殿

1960年代から70年代ころに、西洋の多くの幻滅を感じた知識人や疎外された学生たちが、インドや他の東洋の地を訪ねて、多くの在来のグルやスワミやヨガ行者たち、また自己流の「光明を得た教師たち」(illuminated masters)から、「真理、知恵、啓蒙(光明)、善なるカルマ」を学ぼうとした。実は100年ほど前に、同じような道をたどって東洋を訪ね、世界的に行われている現在の秘教の復興の基礎を作った女性がいるのだが、自分がこの女性の足跡をたどっているにすぎないと理解している人たちは少ない。彼女の仕事は、今日の国連の霊的性格を決定し、「世界宗教」の起因になっている。

この女性とは、現代の「ニューエイジ運動」の女高僧と目されるヘレナ・ブラヴァツキー(Helena P. Blavatsky, 1831-1891)である。ブラヴァツキーは、1875年、ニューヨークに「神智学協会」(Theosophical Society)を創設し、生涯の間にフリーメイソン団と緊密な関係を築き、1877年にはメイソンのJohn Yarkerから“Rite of Adoption”(採用の儀式)の資格証書を受けている。ブラヴァツキーの神智学は、秘教的「知識」(Gnosis)、普遍的な人類の同胞性、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教という一神教を除く、すべての宗教の一体性を教えるものだった。これらの一神教は、彼女が「個人的悟り」と呼ぶものと相容れないと彼女は主張した。

ブラヴァツキーは、“ヤハウェー”を「気まぐれで非正義の神」だとして弾劾した。彼女の見解では、神とはイスラエル人の神でそれ以上のものではない。彼女は、聖書は間違っていて、「善にして正義の神」とは、苛酷で不正義のヤハウェーによって犠牲にされたルシファーにほかならないと主張した。ブラヴァツキーは、「サタン」という呼び名は本来、神々の最初にして最も残酷な「敵対者」を指すもので、同情と智慧の言葉だけを語ったあの蛇を指すのではないと主張した。彼女はサタン/ルシファーこそ、創造者・救済者・父である「神」だという論理をつくり出し、イエスは「サタンの先に生まれた兄弟」だとした。彼女はこう書いた――「創世記の蛇であるサタンこそ、本当の創造者にして恩人、霊をもつ人類の父である。なぜなら彼こそ、ヤハウェーによって創造されたと言われている自動機械(アダム)の目を開かせた者だからだ。…ヤハウェーの敵対者…秘教的な真理においては、現在も常に愛をもつメッセンジャー…肉体ではなく霊の不死性を我々に与えた者なのだ。」

彼女はアストラル体投影について経験があり、霊界と交信する能力をもっていると主張する。著書Isis Unveiled(邦訳『ヴェールをとったイシス』)や3巻からなるThe Secret Doctrine(邦訳『シークレット・ドクトリン:宇宙発生論』)は、彼女がチャンネルとなって、「知恵の大師匠たち」、チベットの「聖なる人々」の教えを語ったことになっている。これらは、キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒なら誰でも、悪魔と同一視するはずである。

The Secret Doctrineの中でブラヴァツキーはこう書いている――「ルシファーは生命、思考、進歩、文明、自由、独立を象徴するものだ。ルシファーは“ロゴス”であり蛇であり救済者である。」だから「ルシファーこそ、この惑星の神、唯一の神なのだ。」そしてこう続ける――「それは天なる“処女”で、まったく同時に神々と悪魔たちの母になった者だ。なぜなら彼女は、常に愛し、よかれと思う神なのだから。しかし昔から現実にはルシファーまたはルシフェリウスと呼ばれている。ルシファーは神と地上の光であり、聖霊であると同時にサタンでもある。」

ブラヴァツキーが1891年に死ぬと、戦闘的フェミニスト、メイソン支持者、英国フェイビアン社会主義協会メンバーのアニー・ベザント(Annie Besant)が後を継ぎ、指導者になった。ジョージ・バーナード・ショーやH・G・ウェルズや他の主導的フェイビアンと親しく、彼女はいくつかの非常に有力なサークルに、神智学の思想を広め植え付けるすぐれた立場にあった。彼女は革命的な路上の暴動にも参加し、ブラヴァツキーを補うべく多くのオカルト的な本を書いた。


階級フリーメイソン

神智学協会の指導層を取り込んだフリーメイソン団は、我々が今日「ニューエイジ運動」と呼んでいるものを公式化し、その基礎を築いた。彼らはその悪魔的な共感を隠そうと努力することもなく、「ルシファー出版社」を創設し、神智学的な定期刊行物『ルシファー』を発刊した。当時のキリスト教世界が、彼らの思い通りに覆されず、彼らの宣伝するサタン的宗教へと変化しない事実を認めて、彼らは彼らの企画を改称して「ルーシス(Lucis)出版社」とした。1922年、彼らは「ルーシス・トラスト」というものを設けたが、これが現在でも、新しい世界宗教の出現において主たる役割を演じている沢山の、「一つの世界政府」/「ニューエイジ」/オカルト的な、宗派、カルト、組織、プログラムのための、傘の組織(umbrella organization)として役目を果たしている。その主たるものに、「Arcane School」(1923以来米各地に設けらた瞑想を主とする成人学校)、「World Goodwill」(アムステルダムに本拠をおく超宗派奉仕団体)、「Triangles」(3人が単位となって瞑想や活動をする団体)、「ルーシス出版」、「ルーシス・プロダクション」、「ルーシス・トラスト図書館」、「New Group of World Servers」などがある。

こうした「ルーシス」傘下組織の「計画」は、「調和的収斂」(Harmonic Convergence)をもたらすことで、これは「オメガ」「マインド収斂」「フュージョン」または「ターニング・ポイント」とも呼ばれ、それは国家というものが、地球的統一の「新世界秩序」(New World Order)を目指して、違いをなくしたときにのみ達成される。世界政府と宗教がついに実現されたとき、New Ageまたはthe Age of Aquarius(水瓶座時代)の夜明けとなる。そのときに初めて「神の身体」(Avatar)が現れ、New World Orderの実現が始まる。この「キリスト」はLord Maitreya(主マイトレーヤ、弥勒菩薩)とも呼ばれ、ユダヤ教徒にもイスラム教徒にも、仏教徒、ヒンドゥー教徒にも等しく待望されていた存在といわれる。もっともそれは、彼らがそれぞれ「メシア」、「イマーム・マハディ」、「5番目の仏陀」あるいは「クリシュナ」と呼んでいるものである。

Alice Bailey(1880-1945, New Ageという言葉を作った、ブラヴァツキーの流れをくむ神智学者)は、世界宗教ができることは確実だと言っている――「古い信仰から霊が抜け出し、真の霊的光が新しい形体へと住みかを移して、これが究極的に新しい世界宗教として地上で明らかになるだろう。…ユダヤ教は古く時代遅れで、分離主義であり、霊的な精神の持ち主に対して真のメッセージを与えることはできない。それは新しい信仰によってしか与えられない。…キリスト教信仰もまたその役目を終えた。新しい信仰の創設者は、新しい福音と世界中の人々を啓蒙する新しいメッセージをもたらそうとしている。」

『テロリズムとイルミナティ』という本を書いたカナダ人のDavid Livingstoneは、独自の調査研究によって、「ルーシス・トラスト」が国際的な管財人委員会によって運営されていることを明らかにしている。そのメンバーには次のような人々がいたと言われている――John D. Rockefeller, Norman Cousins, Robert S. McNamara, Thomas Watson,Jr.(IBM社長), Henry Clauson(前米モスクワ大使), あるGrand Commander of the Supreme Council, 33rd Degree, Southern District Scottish Rite, およびHenry Kissinger。したがってこれはベイリーの組織を、CFR(外交関係評議会)、ビルダーバーグ・グループ、Trilateral Commission (1973年, D. Rockefellerによって作られた、北米、ヨーロッパ、日本の利害調停委員会)などを含む、さまざまな円卓グループへと結びつけるものである。

「ニューエイジ運動」の主張を調べ研究してみて、これを問題視することを訝り、退けることは容易いだろう。しかし実のところはMystery Babylon(背徳の秘教)の現代版であるこの教えを先頭に立って伝道する輩は、権力者たちにひそかに協力しているのである。この惑星で最も富裕で影響力ある男や女の何人かが、公然と「ニューエイジ」に肩入れしている。銀行家、実業家、政治家、名士にいたるあらゆる人々が、「ニューエイジ」を支持するように見え、彼らは巨大な数の人口を後に従わせている。この「霊的覚醒」は「一つの政界政府」を目指すイルミナティの目標の、一側面にすぎないと見えるかもしれない。しかしそれこそが主たる目標なのであり、やがて彼らの計画の核心部分であることが判明するかもしれない。

我々の周囲で明らかになってきた「ニューエイジ」「オカルト」「サタン」「Wicca」(20世紀に起こった異教復興運動)「快楽主義」的な諸現象の、ますます高まる影響力を無視するのは、先の見えない愚かさというものだろう。もしこうした傾向が持続するなら、これらの諸力がついに目的を達成させる日が、遠からずやってくることを認識しなければならない。

G・K・チェスタトンがかつて言ったように、「人がもし神を信じないならば、危険は、彼が何も信じなくなることでなく、何でも信ずるようになることである。」

「キリストは今ここにいる!」1982年4月25日、世界中の何百万の人々が、彼らの日刊新聞の見出しにこの言葉を読んだ。そこにこう書かれていた――「歴史を通じて、人類の進化は少数の悟りを開いた人々によって導かれてきた。それは〈智慧の勝利者たち〉であり、その〈霊的ヒエラルキー〉の中心には〈世界教師〉、キリスト教で〈キリスト〉として知られる〈主マイトレーヤ〉が立っている。」

我々は、「キリスト」が今この時、この世界に生きていて、2カ月以内にすべての人類にその正体を現すだろう、と聞かされた。それと時を同じくして、英国の神智学者Benjamin Cremeが世界的な講演旅行を始め、自らを「キリスト」の代弁者と触れこんだ。多くのインタビューや講演でクレームは、彼が代弁しているのはイエス・キリストでなく、イエスやブッダやクリシュナがその弟子であるような「知恵の勝利者」であると説明した。クレームのメシア運動は、彼の「ニューエイジ」宗教組織、ロサンゼルスやニューヨークやロンドンに事務所をもつ「Tara Center」と連携するものだった。クレームの言う「主マイトレーヤ」は現れなかったので、彼と彼の「キリスト」は、口当たりの良い水瓶座宣伝とともに、完全に信用を失い無意味になったかとも思われた。しかし我々は理性の時代に生きているのではない。クレーム氏はいまだに巨大な「ニューエイジ」ネットワークを先導する光として敬意を払われ、彼の秘教的福音は、世界中の国連の会議やプログラムに見出すことができる。そこでは「ローマ・クラブ」「アスペン研究所」「外交関係評議会(CFR)」「世界連邦協会(World Federalists)」「世界銀行」といった組織が、ありとあらゆる種類の「ニューエイジ」運動家と協力している。


国連と「新世界宗教」

国連を批判する多くの人々は、それを現代の「バベルの塔」だと評する。たいていの人は、創世記に神の不興を買ったと書かれている、人間の霊的傲慢の行為を指して言ったものだ。今日、このような厳しい喩えを支持しようとすれば、人は言語、文化、イデオロギー、政治といった、混乱と喧嘩を招く詰め合わせに注意を向けるだろう。さまざまのプログラムや政策をもった国連をバベルの塔に喩えることは、これまでにも増して適切な比喩になっている。それは猛烈な偶像崇拝と戦闘的な異教信仰が、徹底的にこの組織に浸透しているからである。

国連は次第に「新世界宗教」の中心になりつつある。それは、「ニューエイジ」神秘主義、異教崇拝、土俗的アニミズム、無神論、共産主義、ルシファー的オカルティズム、背教的キリスト教、イスラム教、道教、仏教、ヒンドゥー教などの、奇怪な悪の集積である。この新しい信仰の信者や弟子たちには、水晶崇拝者、占星術師、過激フェミニスト、環境主義者、カバリスト、人本主義者、東洋神秘主義者、ポップ心理学者、また1960年代の反文化と結び付けたくなるような「リベラルな」僧侶たちがいる。しかしこの「ニューエイジ運動」の今日の信奉者には、科学者、外交官、会社社長、国家元首、国際銀行家、主流キリスト教会の指導者などもけっこう多い。

リオ地球サミット

William F. Jasperはその著Global Tyranny Step by Step(地球的暴虐の段階)の中でこう書いている――「1992年6月のブラジルでの国連地球サミットにおいて、〈環境と開発に関する国連会議〉と〈地球フォーラム:民族サミット〉は、異教的土俗儀礼と、東西の〈神秘的〉霊的教義の世界的集積とが混合して、〈普遍的信仰〉と称する、わけのわからない形態をもたらす実例を示した。」

世界のメディアは、「リオ宣言」と「アジェンダ21」という800頁の政治行動計画を、「神聖な」文書と呼んだ。アメリカ国会代表のアル・ゴアは、人間と地球の間の新しい霊的関係の必要を訴えた。女優のシャーリー・マクレインは、彼女の不思議なブランドである心霊能力を会議に寄与すべく出席していた。「世界キリスト教協議会」(World Council of Churches)の聖職者たちが出席していたが、それは彼らがヘーゲル的弁証法を用いて、キリスト教を「正」とし、異教スピリチュアリズムを「反」として、バビロニアの秘教に非常に近い「合」をつくり出す、エキュメニカルな「精神」に近いものをもっているからである。このサミットにおけるもう1つのグループ「自然環境保護連盟」はブラジルのサン・レオポルドに本拠をおく団体だが、驚いたことにWCWがここに関る真の目的について、次のように宣言した――

「環境保護運動は、母なる自然の崇拝という形で、古代秘教の信条への回帰を促すための仮面として用いられている。これは古代ギリシャ人の間で〈ガイア〉として知られていた地球を、女神と同等に見る異教の考え方である。もともとこの女神は、聖書ではアスタルテと言われているバビロニアのイシュタル、すなわちエジプトのイシスである。この汎神論的考え方は古代の異教に淵源をもつもので、カバラも、フリーメイソンやイルミナティをも含む、すべての西洋オカルト伝統の中心となっている。」

これで読者には明らかになったことであろう。ひとつの関連性が形成され、「一つの世界独裁制」を目指して、すべての主たる役者がつながって協力している。すなわち国連、ニューエイジ運動、緑の党などすべてが、背後で糸を引くイルミナティの「隠れた手」と頂上でつながって、我々すべてを「新世界秩序」へと、有無を言わさず引っ張っていく原動力になっている。

 

イルミナティ知識人(The Illuminaries)

カナダのマルチ富豪で実業家のMaurice Strongは、「人本主義研究のためのアスペン研究所」前管財人であり、「惑星市民」(Planetary Citizens)評議会のメンバーだが、彼は環境保護かつニューエイジ運動内部で強い力をもつ人だ。彼はLindisfarne Centerの重役であり財務最高責任者を務めている。このセンターはニューヨークのEpiscopal Cathedral of St.John the Divineにあり、その活動はLilly Endowment, Rockefeller Brothers Fund, およびRockefeller Foundation(ロックフェラー財団)からの助成金によって行われている。

この研究所の教授団メンバーには、“エコ・ラディカル”のAmory Lovins、そしてルシファー教義の熟達者でニューエイジ著述家のDavid Spanglerがいる。そこで我々はスパングラー氏の著書、たとえば“Reflections on the Christ”などを読むことによって、ロックフェラーの資金による研究所ではどんなことが教えられているかについて、ある程度の知識を得ることができる。ここで彼はこう書いている――

「ルシファーはキリストのように、人間の意識の戸口に立ってノックをする。もし人が〈あっちへ行ってくれ、私はお前が体現するものが嫌いだし、お前が怖いのだ〉と言ったとしたら、ルシファーはその男にいたずらを仕掛けるだろう。もし人が〈入っておいで、そうしたら私はあなたに私の愛と理解内容を御馳走してあげよう。そして、私のほとばしりであるキリストの光と臨在の中へと、あなたを高めてあげよう〉と言ったとしたら、そのときルシファーは再び別のものに変わるのだ。彼はその偉大な御馳走、究極のもてなし、智慧の光を用意している存在に変わるのである。人がルシファーを怖れるようになった理由は、彼が悪を体現しているからというよりむしろ、我々を成長させ、今までの我々のレベルを超えたところへ導いていく〈経験〉を、ルシファーが体現しているからである。・・・ルシファーとは文字通り経験の天使である。

Spangler, Muller, Strong, その他たくさんの「名前」、オランダのJuliana女王、Sir Edmund Hillary, Peter Ustinov, Kurt Vonnegut, Leonard Bernstein, Isaac Asimov, それにPeter Seegerといった人々が、世界政府を促進する「惑星市民」の最初からの賛同者としてリストにあげられている。[注:池田大作氏もそうだと言われる。]ニューエイジ指導者であり前国連コンサルタントのDonald Keysによって創設され、故ノーマン・カズンズ(CFR)が長年にわたって主宰してきたPlanetary Citizens Organizationは、多くの世界的な指導者を寄せ集め、彼らの威信をうまく利用して、国連の権力とその諸機関の拡大を支持してきた。アリス・ベイリーの弟子であると自ら認めるキーズは、国連を「現れつつある惑星的価値の中枢」と呼び、それが「惑星管理システム」を確立するようになることを望んでいる(New Age Speak for World Government)。

もう一人の初期からの「惑星市民」の賛同者は、ローマ・クラブの創設者Aurelio Pecceiである。これは元々1970年代には、「ゼロ成長」の環境保護主義をすすめる役割をもつものとして認められていたのだが、最近は「霊的」な面でますます「成長」している。彼らの霊的「知恵」を求める姿勢には、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教は排除されるか否定されることを要求したブラヴァツキーの原則の奴隷的遵守が含まれている。

東洋的スピリチュアリズムへのこの傾斜が広まった最初の経路の1つはTemple of Understandingであり、これはあの「リンディスファーン・センター」のルシファー信者の住む同じCathedral of St. John the Divineに建物が在る。1960年代初期に「国連の霊的相対物」として創始され、その設立のスポンサーには、設立インサイダー、社会主義者、人本主義者、共産党フロント、宗教関係者、芸能界名士、といった奇妙な取り合わせが見られる――

John D. Rockefeller4世
当時の国防長官Robert S. McNamara
計画出産創始者Margaret Sanger
IBM社長Thomas J. Watson
社会主義者リーダーNorman Thomas
Eleanor Roosevelt(フランクリン・ルーズベルト夫人)
タイム-ライフ誌社長James A. Linen
ホモセクシュアル作家Christopher Isherwood
コラムニストMax Lerner
エンターテイナーJack Benny

このような顔ぶれを前面に立てて、国連の異教スピリチュアリズムはより一層おおっぴらに自己主張するようになるだろう。「新しい国際的経済秩序:霊的な要請」(The New International Economic Order: A Spiritual Imperative)と題する国連報告はこのように宣言している――「今日、スピリチュアリティ(霊性)の新しい理解が見られつつあるが、これは、人間を向上させるすべての努力は霊的な性格をもつことを認めるものだ。アリス・ベイリーが言ったように、「現在の到達点を超えて存在するものは霊的なものだ。」…「霊性のこの新しい理解を踏まえるなら、国連の仕事は、人間の全体的な進化的発展の内部にその成果を見ることができる。国連の仕事は実際に霊的であり、文明の未来のために深い意味をもつものである。」


汎神論的煙幕

「人が太陽、月、星、彫像、または自分自身をさえ崇拝するときには、ルシファーはその人を間違った方向へ導くだろう。人は、創造されたものを崇拝してはならない。そうでなく創造者を崇拝するのだ。創造者以外のものを崇拝することは、ルシファーを敬うことになる。」――Fritz Springmeier,“Be Wise As Serpents”(蛇のごとく聡くあれ)

汎神論哲学体系の「神」は聖書の全能の神でなく、万物を占領する非人格的な内在力であるから、従ってすべてのもの、宇宙そのもの、石ころから木から、すべての男や女が「神」ということになる。この異教的世界観では、人間は、彼が究極的に責任を問われねばならない一人の真の神の特別の創造物ではなくなる。また彼は、彼の創造者によって、生まれながらの、譲ることのできぬ、権利と義務を与えられてはいないことになる。したがって汎神論は、「宗教を人間中心の信仰体系に変え、そこから政治的集団思考という教義とプログラムに宗教的裁可を与えることによって、神を中心とする宗教を覆す効果的な仕掛けとして機能する。汎神論はまた、人類を有神論から無神論的唯物主義に向かわせるための手段として利用されることもあり得る。」宗教においては、汎神論はたいていの場合、自然主義(Naturalism)――宗教的真理は、啓示でなく自然(界)から得られるという教義――として表現される。

オカルト雑誌Rosicrucian Digestの1941年6月号は、「社会的国家、国土、国民の多様性はなくなるであろう」と予言し、国家は「ただ一つの統一世界国家」にとって代わられるだろうと論じた。Rosicrucians(薔薇十字団)の説は、彼らの唱道する「秘教的汎神論」がもし一般に受容されるなら、集団思考的世界国家に行きつく、と結論した点で正しい。そしてこの2つの間の直接的な因果関係を理解する人々は、今日、世界にあまりにも少ない。オカルトの欺瞞の権威者であるClarence Kelly神父は、「汎神論が集団思考論者の好む教義であるのは、それが宗教的根拠に基づいて、個人を集団に従属させる人間観を与えるからだ」と言っている。


ヒトラーとヴリル(the Vril)

ヒトラーの「第三帝国」の全体主義と集団思考への道を切り開く条件をつくり出すのに力があったのは、Neo-Paganism(ネオ異教主義)であった。ナチの高僧たち――ヒトラー、ヒムラー、ラーン、ローゼンべルグ、ヘス、フェーダー、ゼボットら――はすべて熱烈な神智学者であり、彼らの秘教的結社(トゥーレthe Thule、ヴリルthe Vril、聖杯探究団など)は、今日のニューエイジや環境運動に顕著に見られるのと同じオカルティズムと汎神論に染まっていた。

ヒトラーが自分を「選ばれた者」と考えていた証拠はいくらでもあり、彼が「私は〈新人〉を見た、彼は実に恐ろしい」と言ったことが記録に残っている。ヒトラーが深くオカルトに関わったこと、そして彼の殺人による恐怖支配が、「古代アーリアの師匠たち」と彼が呼ぶものに捧げるための「神の」使命だと信じたのは明らかである。トゥーレ結社の練達者であり、ヒトラーのオカルト教師であったディートリッヒ・エッカルトは、こう書いた――「ヒトラーは踊るだろう、しかし調べを奏でるのは私だ。私が彼に秘密の教義を教え、彼の幻想の中心を開いてやり、隠れた諸力と交信する方法を授けたのだ。」

著書The Twisted Cross(曲げられた十字架)の最終章で、Joseph Carrは、ナチズムとニューエイジ運動の驚くべき並行関係を指摘している――「ナチの世界観とニューエイジ運動の主要素が同一であるという主張を、論破することはできない。それは当然なのだ。なぜなら、それらは共に、同じオカルトの根、すなわち「神智学」から生じてきたものだから。彼らのそれぞれの宇宙発生論、宇宙学、哲学は同じものなのだ。」

「ニューエイジ運動」と「一つの世界政府」陰謀は、同根であり分離できない。たとえ「汎神論」を構成するすべての多種多様なセクトやカルトが、多様で別々のものに見えようとも、さまざまなグノーシス的ヒエラルキーをなす宗教にとって、すべての基本的要素は同じである。それらは単に焦点が異なるだけである。それらは同じ原理で働き、協力して機能している。見たところ別々で独立した宗教グループも、その頂上では協働し、同じ主人に仕える同じ陰謀団によって運営されている。

フリッツ・スプリングマイヤーは、「一つの世界宗教」に関する記念碑的著書Be Wise As Serpents(蛇の如く聡くあれ)の中で、我々の大多数が問うてきた問題に答えている。「カルト宗教の指導者たちは、何が起こりつつあるのかを知っているのだろうか?」という我々の疑問に対して、スプリングマイヤー氏は権威者的にこう答える――「ずっと知っていたのだ、口頭の場では。この〈口頭〉が強調されることで事情が明瞭だった。「ニューエイジ」のリーダー達、「エホバの証人」や「末日聖徒教会」は、自分が何をしようとしているのか、また、一つの世界政府をつくることにおいて、自分の役割が何であるかを知っている。」

 

太陽ロゴス

古代世界を通じて、太陽がさまざまな装いのもとに神として崇拝された。バビロンでは、それはエジプト-オシリスの形での「ニムロッド」(Nimrod)であり、カナン人はこれを「バール」(Baal)と呼び、ギリシャではそれは「アポロ」であった。「ニューエイジ」の太陽神は、「太陽ロゴス」(Solar Logos)あるいは「ことば」(The Word)と呼ばれ、これによって冒涜的にも聖書のイエス・キリストを偽装する。アリス・ベイリーのRays and Initiation(光と秘儀伝授)では、この太陽ロゴスがルシファー自身であると明言している。今日も千年前と同様、太陽神は「ニューエイジ」主導者によって神として崇められている。

デイヴィド・スパングラーは太陽神についてこのように言っている――「〈新しい時代のキリスト〉への道を我々に照らしだす光は、ルシファーからやってくる。ルシファーとは光を与える者だ。人間に対してより大きな意識の夜明けを知らせるのは彼の光である。この偉大な存在の真の光は、おのれ自身の目が内なる太陽の光によって見るときにのみ、認識することができる。それは〈ニューエイジ〉へ人を招くものだ。」

人格神の存在を否定しながら、宇宙そのものが神であると主張することによって、「ニューエイジ」推進者たちは、人間は宇宙の一部なのだから人間は神でもあると宣言する。ルシファーのマスター・プランは、人々が、彼らを愛し彼らを気づかってくれる神など存在しないということを受け入れない限り、成功することはできない。したがって、月や星や銀河はすべてそれ自体が神であるとすることで、人類の主人としての「ニューエイジ」の太陽神や太陽ロゴスは、信仰の必須の要件となる。我々は人類歴史を通じて、すべての太陽神は、偉大な欺瞞の主、ルシファーの偽装でしかないということを確認することができる。

魔女たちはルシファーが太陽の神であると信じており、太陽神は「角のある神」としても知られている。(ルシファーは同時に「光の天使」でもある。)魔女の聖日の多くは、キリスト降誕祭(the Yule)がそうであるように、太陽を中心にめぐってくる。彼らの信仰体系の大部分は、太陽が弱まって世界が死に、次の冬至の日に太陽神ルシファーが再生し地球を暖めるという考え方である。古代ラテン民族にとって、ルシファーは太陽神であり、アラディアの父であり、ダイアナの兄にして恋人であった。

この神の敵対者が、どのようにしてひそかに我々の生活の中に忍び込むことができたのかを理解するためには、現在、社会の至る所にあふれている異教の太陽のシンボリズムを、見まわしてみるだけでよい。その1つの例が女性のボディ・ビルディングの世界に見られる。そこでは毎年、ルシファー信仰を表すのに用いられるデザインを象ったトロフィーが、IFBB女性ボディビル大会で授与されている。このトロフィーの意味を、秘儀を知っている少数者を除いて、知る者はほとんどいない。トロフィーはオベリスクの形をしている。知らない人のために言っておくと、それは先細りの4面をもつ細い塔で、天辺がピラミッド型になっている。このオベリスクは明らかにフリーメイソンにつながるシンボルである。それはメイソンにとって重要なもので、古代エジプトに起源をもっている。それは古代秘教にかかわった信者たちの拝んだ神の象徴である。

オベリスクは太陽神ルシファーを表している。太陽はメイソンの主たるシンボルでもある。後に論ずる人物、アルバート・パイク(Albert Pike)はこう書いている――「太陽は、生命を与え繁殖させる神の力の、古代の象徴である。」

この問題についての歴史家・講述家のRalph Eppersonによれば――「太陽は、宗教信者だけが理解できた何ものかの象徴であった。これらの信者たちは、人々が彼らの秘教を受け入れないだろうことを知っていて、彼らからこれを隠さなければならなかった。彼らの基本的な目的は、自分たちの秘密の崇拝を隠すものとして、ある民衆的宗教をつくり出すことであった。彼らは一般民衆から自分たちの信仰を守らねばならず、秘密の信仰をひそかな象徴の形に隠さねばならなかった。」エパーソンは続けて言う――「オベリスクは太陽神の存在そのものを象徴する! そして太陽神はルシファーである!」

 

「世界宗教」の正体

「グノーシス派の諸宗教はしばしば異教的(pagan)と言われる。この異教的信仰は最初のレベルの入信者が教えられる顕教的な隠れ蓑であることが多い。最も高いレベルはしばしば本物の秘教信仰となり、直接的なルシファーあるいはサタン信仰がかかわることが多い。言い換えると、メイソンや他のグループの太陽信仰は、神である蛇サタンの最も高いレベルの信仰を隠すためのイチジクの葉である。」―Fritz Springmeier“Be Wise As Serpents”

「アリス・ベイリーは、メイソン運動は〈新しい体系〉の宗教になるだろうと言った。ベンジャミン・クレームもまた、フリーメイソンは〈新しい時代〉の宗教になると信じている。もう一人のニューエイジ・リーダーであるLora Davisもまた、フリーメイソンを〈新時代の宗教〉と見ている。」―Texe Marrs: Dark Secrets of the New Age

アリス・ベイリーは1957年にこう書いた――「フリーメイソン運動は法の番人にもなる。それは諸々の秘教の本拠地であり、イニシエーション(入信)の場である。そのシンボリズムには神の儀式があり、救済の道がその行(ぎよう)の中に、絵画的に保存されている。それは理解を超えてオカルト的な組織であり、将来のより進んだオカルティストのための訓練学校として意図されている。そのさまざまの儀式の中には、自然の王国の成長と生命や、人間のもつ神的諸相の展開と結び付いた、諸力の行使というものが隠されている。」

フリーメイソン教義は世界宗教として過小評価されてきたのだろうか? 少なくとも一人のメイソンの著者は他のメイソンに向かって、メイソン教義の宗教的力がこれまで見くびられてきたという感想を述べている――「過去においてメイソン教義は、宗教の浅はかな代替物だとして非難されてきた。このことをメイソン団は常に否定してきた。実のところ、新時代の新たに活気づいたメイソン教義は、人間の神への接近の、並行する、進化した方法であり、メイソン教義と宗教は喜んで協力するようになると我々は考えている。」(The Spirit of Masonry, p.129)

アルバート・パイク(1809−1891)は、ルシファーこそ彼自身の神だと告白したルシファー信者である。彼はかつてSovereign General of the Supreme Council of Grand Sovereign Inspectors, General of the 33rd Degree of the Scottish Riteという高位にあった。彼についてはまた、Ku Klux Klan(3K団)の創始者だという十分な証拠もある。パイクはかつて存在した最も影響力あるフリーメイソンと考えて差し支えない。南北戦争当時、彼は南軍の将軍であり、この戦争で最も残虐な行為を犯したと言われるが、彼の墓は、ワシントンDCの国会議事堂からちょうど13ブロック目にある。彼はイルミナティの高位のメンバーで、今も「新世界秩序」陰謀団の崇敬を受けている。

パイクは著書Morals and Dogma(道徳とドグマ)の中で、イルミナティと「新世界秩序」の神はルシファーだ、と後世に向かって断言している――「フリーメイソン宗教は、我々秘儀を受けた高い階級の者すべてによって、ルシファー教義の純粋さに保たれなければならない。・・・そうだ、ルシファーは神なのだ。そして不幸なことに、アドネイ(Adonay、イエスのこと)もまた神なのだ。なぜなら永遠の法は、影なくして光なく、醜なくして美はなく、黒なくして白はないからである。また絶対的なものは2つの神としてのみ存在できるからだ。暗さが明るさの引き立て役として必要なのは、台座が像にとって、ブレーキが機関車にとって必要なのと同じだ。」

パイクは著書で、フリーメイソン教は古代の秘教と同じだと、大胆に、隠すこともなく主張しているが、これは、彼らのすべての著書のすべての教えが、古代の異教のサタン的秘教に全く同じだということを意味している!『道徳とドグマ』はさらに、「真実の純粋な哲学的宗教はルシファー信仰であり、これはアドネイ(イエス)信仰と同等のものだ。しかしルシファー、すなわち光の神にして善の神は、人類のために、アドネイ、すなわち暗黒と悪の神に逆らって働きつつあるのだ」と言っている。

フリーメイソン教はルシファー崇拝なのだろうか? フリーメイソン教の神とは本当は何者なのかについて、これまで幅広い論争があった。私は以下に、この疑問を明らかにするのに役立つと思われるフリーメイソンの権威者たちから、いくつかの引用をしようと思う。初めに理解しておくべきことは、「青階級」のメイソンたちはルシファーの奴隷状態にはないが、より高い階級の「秘儀授与者」たちは、蛇の装飾のある黒い祭壇の前に膝まずき、ひれ伏して、髑髏から飲むということを含む儀式に参加しなければならないことだ。

私たちはさらに、ルシファーとは何者なのかを知る努力をしなければならない。欽定訳聖書(ジェイムズ王聖書)は、彼が神に背いた後に天から堕ちる様子を、次のように記録している――「ルシファーよ、夜明けの息子よ、お前はどのようにして天から堕ちたのか? どのようにして地上へ切って落とされたのか、国々を滅ぼしたお前は? なぜならお前は心の中でこう言ったからだ、〈私は天国へ昇りたい、私は私の玉座を神の星々より高くしたい。私はまた集会では北の側の高い座に坐りたい。雲の高みよりもっと上まで昇りたいのだ。私はいと高き者のようになりたいのだ。〉しかしそう言うお前は必ず地獄へ、その穴の縁へと落とされることになる。」(イザヤ14:12-15)

聖書はルシファーのことを「あの悪魔ともサタンとも呼ばれる老いたる蛇、全世界を騙す者」と呼んでいる。(黙示録12:9)

フリーメイソン教団における欺瞞(騙し)は、その暗黒の内部へ深く入っていくほどに、繰り返し目撃されている。アルバート・パイクは『道徳とドグマ』にこう書いている――「メイソン教団も、他のすべての宗教、すべての秘教と同様、熟達者や聖者や選ばれた者たちを除くすべての者たちに、その秘密を隠していて、そのシンボルの虚偽の説明や間違った解釈を用いて、ミスリードされるに値する者たちだけをミスリードする。「青の階級」は神殿の外庭あるいはその前廊であるにすぎない。シンボルの一部はそこで「秘儀授与者」に開示されるが、彼は意図的に間違った解釈によって誤導される。彼がそれらを理解するようには意図されておらず、理解したと彼が思いこむように意図されている。」

ルシファーがフリーメイソン教団の神であることを証拠立てる引用をいくつか示そう――

「ルシファー皇帝(Emperor Lucifer)、反逆の精霊の長であり君主であるお方に対する、最初の懇請の呼びかけ:――私は、あなたのお住まいがこの世界のどこであろうと、あなたがそのお住まいを離れられ、ここへおいでになり、私と交信して下さることを懇請します。おお偉大なる生ける神よ、あなたが音も立てず出現されることを、あなたの名において要求し懇請致します。」―33階級メイソン、Arthur Edward Waite著『黒魔術の本』より

「私はここに、悪霊の君主たる偉大な精霊ルシフュージ様に対し、毎年私が、人間の魂をこの方のもとへお届けし、いかようにもご自由になさるべくお任せすることを約束しますので、その見返りに、ルシフュージ様は地上の宝を私に授け、私の命の続く間、あらゆる私の欲望を満たして下さることを約束願います。もし私が上に申し上げた供え物を毎年この方に捧げられないときには、私自身の魂を担保と致します――血によるサイン、Manly Palmer Hall, 33階級フリーメイソン」――『すべての時代の秘密の教え』より

「メイソンが、断頭台の戦士を斬首する鍵は、生きる力の発電機の正しい適用だと知ったとき、彼は彼の生業の秘密を知ったことになる。ルシファーの煮えたぎるエネルギーが彼の手中にあるのだから、彼が前進し向上しようと思えば、彼はこのエネルギーを正しく使える能力を証明してみせなければならない。」――Manly Palmer Hall, 33階級『フリーメイソン教団の失われた鍵』より

「我々が一般大衆に対して言わねばならないことは、我々はある神を崇拝しているが、それは迷信なしに崇拝する神だということである。あなた方Sovereign Grand Inspectors Generalの方々は、このことを32,31,30階級の兄弟たちに伝えていただきたいので言っておきます。メイソン宗教は、秘儀を受けた我々すべての高位者によって、ルシファー教義の純粋さに保たれなければならない。」――アルバート・パイク、33階級

「夜明けの息子であるルシファー! 光をもたらし、その耐えられぬまばゆさで、弱い、感覚に生きる、利己的な魂の目を潰すのは彼なのか? そこに疑いがあってはならない。」――アルバート・パイク、13階級

フリーメイソン教義とはルシファー崇拝である。ひとたびこのことが理解されれば、なぜ彼らが何世紀にもわたって、秘密の蓋をしっかりと閉めつけてきたのかが明らかになる。なぜなら、もし人々が、フリーメイソン教とはルシファー崇拝だということを本当に知ったならば、誰もこれに加わる者はなく、ほとんどの共同体の市民たちは団結して立ち上がり、この組織を完全に非合法化することを要求するだろう。だからこそ、ここには秘密の中にまた秘密、枢要部の中にまた枢要部がある。これは上記の引用が示す通りである。

 

「光をもたらす者」の回帰

多くの人々は「ニューエイジ運動」とは、昔のヒッピーとかフェミニストとか“ワンナビー”(かっこいい)神秘家のような連中が、何かわけのわからないことを歌ったり祈ったりすることにすぎないと思っている。しかしそれは、危険で絶望的な現在の状況の真実からあまりにも遠く離れた考えである。現在、イルミナティや「ニューエイジ」に加担する彼らの仲間の陰謀家たちが、メディアのコントロールや情報といった彼らの利用できるあらゆる武器を用いて、彼らの「新世界秩序」プロジェクトを、その論理的帰結にまで推し進めようとしている。一方、我々一般人は、彼らの「水瓶座」独裁制の中へと夢遊病者のように入って行こうとしている。

その著Terrorism and the Illuminatiの中で、カナダ人のDavid Livingstoneはこう書いている――「イルミナティの人々は、〈カバラ〉とも呼ばれる〈古代の智慧〉を彼らに教えた堕ちた天使たちの子孫だと自称し、これを何世紀にもわたって保存してきたのだと主張している。これら〈堕ちた天使たち〉は、聖書の創世記で〈ネフィリム〉(Nephilim)または〈神の息子〉と呼ばれ、地上に降りてきてから人間たちと通婚したのだと言われた。キリスト教の解釈はこのくだりと格闘し、この言葉(ネフィリム)を〈強い人たち〉と訳した。しかし経外典のユダヤ教テキストは、彼らを、天から落とされ、カインの女性子孫を妻にした悪魔とその軍勢だと解釈した。彼らは〈アナキム〉(Anakim)と呼ばれる種族を生み出した。」

現在、我々の世界で真の権力をもつすべての地位を占領しているのは、これら「アナキム」あるいは彼らの子孫だというのは、よく研究されている仮説である。彼らが本当に「ネフィリム」族の子孫であるかどうかは、彼ら自身がそう信じ、我々すべての生命に対して行使される、ますます増大する抑圧、操作、恐怖を正当化するために、彼らがこの「神の与えた」支配権と称するものを用いている限り、関係のないことである。

 

結論

「ルシファーの水瓶座新時代」は、まさに今ここに来ている。そして人類は、自分の創造者に対して団結して反乱を起こしている。我々は今、神と人間の、最大の、大もとの敵対者への崇拝を公然と宣言している人々に、我々を導く自由な支配権を与え、悪魔的な「一つの世界」圧政国家という形での、地上の地獄へと落ちこみつつある。そして国連が国際的な神殿となり、人類は国連の政治的・宗教的リーダーたちを通じて、「光をもたらす者」ルシファーに忠誠を捧げようとしているのである。

「そしてこの者は自分自身を高くし、あらゆる神を超えて大きなものになり、神々の神に対して、驚くべき言葉を吐くだろう。そして憤りが頂点に達する時まで、栄えるだろう。なぜなら定められたことは、なされなければならないからである。」(ダニエル11:36)

(出所と参考文献は略、原文を参照のこと)
www.benabraham.com/html/lucifer_rising.html

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