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いまだ「聖職者への手紙作戦プロジェクト」から返事なし

David Klinghoffer
November 15, 2001

ウエブサイトHuffington Postに拠って「聖職者への手紙作戦プロジェクト」というダーウィン・ロビー工作を展開しているMichael Zimmermanは、先日のある記事で、ディスカヴァリー研究所とIDを、数個の空想上の項目で攻撃しようとしている。1つ、「IDはファンダメンタリストだ」2つ、「IDは科学を再定義しようとしている」3つ、「IDは一般 的・宗教的意見とは歩調の合わない考えを推進している」。公開で応答する前に、私は彼に「fundamentalistという言葉をどういう意味に使っているのか」とEメールで訊ねた。これはダーウィニストの好きな怖い言葉で、幻の脅迫、いつもベッドの下に隠れているお化けを指す言葉だが、少なくとも私の個人的な経験では、ダーウィン理論についての科学的論争の現実世界には全く関わりのない言葉である。もちろん私は、紛れもない「ファンダメンタリスト」が存在していることは理解している。それは、科学は、聖書のテキストの彼ら自身の文字通 りの読みを反映していると主張する人たちで、ダーウィン・プロパガンダにとっては非常に都合のいい人たちである。しかし私はこのような人たちの誰とも一緒に仕事をしていない。ジンマーマンは私に返事を寄こしていない。

今度の新しいHuffPostへの寄稿では、彼は、ディスカヴァリー研究所に関係しているID唱道者たちは、ニュートンのような人たちによって代表される科学を、過去へ押し戻そうとしているのだと言おうとしている。しかしスティーヴン・マイヤーが『細胞の中の署名』で示しているように、ニュートン自身が、『光学』では眼のインテリジェント・デザインを、『プリンきピア』では惑星系のインテリジェント・デザインを、主張するデザイン論を展開しているのである。ニュートンはこう説明した――「だから、この太陽、惑星、彗星のきわめて美しいシステムは、あるインテリジェントで強力な存在の計画と支配(counsel and dominion)によるものでしかありえない。」

ジンマーマンは、「ベーコンやニュートンといった人々は迷信から我々を引き離し、現代科学の世界を導き入れた」と書いている。確かにその通 りだ。しかしID唱道者たちが再び活性化しようとしているのは、まさにニュートンによって体現されるような科学的世界観、すなわち、ある科学的説明が教条的唯物論に抵触するからといって恣意的にこれを排除するのでなく、証拠の導く所へはどこへでも従うという科学的姿勢である。

彼の前の論評の要点、すなわちダーウィンを疑うことは疑う人々を、ごく少数の熱に浮かされた「ファンダメンタリスト」(その意味はどうであれ)の占める社会的周辺へと押しやることになるという主張については――明らかにこれは、騙されやすい聖職者たちを社会的に困ったことになるぞとおどすための手口だが――私はこのENVの一人として、IDと同じ見方をする人々が、宗教に関係なく、アメリカ人の大多数を占めるという事実を指摘しておいた。これはゾグビー世論調査の結果 である。これにもジンマーマンは返答をよこしていない。

しかし彼にはおそらくその気はないだろう。返答しようがないだろう。彼がIDについて知っていると思っていることのすべては、明らかに、ウィキペディアの記述をざっと読んで得たものである。ダーウィン護教論の大半は、たいそうで空疎なシャドウ・ボクシングだが、これらは、論争の相手側が本当のところ何を言おうとしているのか理解することを、絶えず拒否することに基づいている。

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