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学問の自由法案の拡散はダーウィン圧力団体にとって最大の悪夢

Casey Luskin
March 5, 2010

最近のニューヨーク・タイムズ一面の学問の自由法制化についての記事は、いかに知識人たちが、学校教師に学問の自由を認めるようとする動向に、浮足立っているかをうかがわせるものである。これは現在ケンタッキー州立法府が認めようとしているように、「学生たちが科学的諸説――進化論、生命起源、地球温暖化、人間クローン作りなどが含まれるが、それだけではない――を客観的に理解し、分析し、批判し、再吟味するように導く」といった法案をさしている。

2008‐2009の間に、12件の学問の自由法案が州立法府に提出された。フロリダ、アラバマ(2)、サウスカロライナ(2)、ミズーリ(2)、ミシガン、ルイジアナ、オクラホマ、アイオワ、ニューメキシコのそれである。2010年現在すでに、ケンタッキー、ミズーリ、ミシシッピーの各州に3つの条令が存在する。

ケンタッキーの法案は、これらの法が宗教教育を容認するものだという批判側からの主張を退ける、すばらしい文言の見本を示している――「この箇条はいかなる宗教教義を推進するものでもなく、宗教的信仰の特定の部分に賛否を示すものでも、宗教または無宗教に賛否を示すものでもないと解釈されねばならない。」学問の自由法案の実効的文言は完全に善意によるものである――

*ケンタッキー法案は、教師が「学習される科学的諸説の利点と不利点について、これを批判的に考え、論理的に分析し、とらわれることなく客観的に論ずることに習熟させる」ことを奨励している。

*ミズーリ法案は、教師が「生物学的進化論と化学進化仮説の科学的強みと科学的弱みを、客観的な仕方で、理解し、分析し、批判し、再吟味するように学生を導く」ことを可能にするものである。

ネオダーウィニズム合意に対する、完全な忠誠と賛同を学生や教師に求めるダーウィン・ロビイスト(圧力団体)にとって、この種の知的自由は大いに脅威的である。ニューヨーク・タイムズの一面 で示された恐慌はこれを物語る。

ありがたいことに、ほとんどのアメリカ人はダーウィン・ロビーの独断専横に好意をもっていない。進化論争における大きな秘密は、学問の自由支持が従来の宗教的権利をはるかを超えたものだということである。したがって、ニューヨーク・タイムズ記事が学問の自由を「政治的保守派」や「保守的福音派キリスト教徒」に結び付けようとしているにもかかわらず、2009ゾグビー世論調査によれば、進化論教育における学問の自由支持は、80%の米国民からのもので、そこには80%以上の自称「リベラル」と民主党支持者が含まれる。

しかも教室での進化論批判を求めているのは、過去3年の学問の自由法制化だけではない。次の表は、科学的な進化論批判を教えることを認可あるいは要求する、現在採択されている地方あるいは全州的な政策のいくつかを示すものである――

■テキサス:学生は「科学的説明を分析し、評価し、批判することができなければならない…そこには、批判的思考を助長するために、それらの科学的説明の科学的証拠のすべての面 を吟味することが含まれる。」学生はまた、「共通祖先」「自然選択」「(突然)変異」「突然の出現」「細胞の複雑性」の起源、そして「DNA分子のような、生命を自己増殖するための情報をもつ長い複雑な分子」の形成を含む、進化論の主張の核心部分を「批判し評価する」ことができなければならない。
■ミネソタ:「学生は、科学的・技術的革新や新しい証拠が、進化論のような受け入れられた理論やモデルの一部あるいは全体に、疑問を呈することがあるということを説明できるようにする。」
■ニューメキシコ:学生は「今日地球上に生きている生物種が、その祖先である単細胞生物に血統的につながっているという結論を支持するデータや観察を、批判的に分析する」ことができるようにする。
■ペンシルヴェニア:「現在行われている理論(e.g.病気の細菌説、光の波説、原子以下の微粒子の分類、進化論、エイズの疫学)の現状を、批判的に評価せよ。」
■ミズーリ:「疑問をもたれている現行説を同定し、分析し、より古い理論(例えば、進化論…)を疑問として現れた新しい理論と比較せよ。」
■アラバマ:「自然選択による進化は論争の多い理論である。…論争に関連する教育材料が、とらわれない心によって扱われ、注意深く研究され、批判的に考慮されるべきである。」
■サウスカロライナ:「科学者がさまざまな資料から出てくるデータを用いる仕方を要約し、進化論の諸相を調査研究し、批判的に分析するようにせよ。」
■ミシシッピー:「いかなる地方学区、視学官、校長も、公立学校の現場教師が生命の起源について論じ、また個々の学生からの質問に答えることを、妨げてはならない。」
■ウィスコンシン州、グランツバーグ:「学生は進化論の科学的な強みと弱みを説明できるようにする。この方針は創造論やインテリジェント・デザインを教えることを要求するものではない。」
■ルイジアナ州、ワチタ教区:「生物学的進化論、生命の化学的起源、地球温暖化、人間クローン作りといった、いくつかの科学的話題を教えることは、論争を引き起こす可能性がある。…教師には、教えられる教科に関係する現行の諸説の、科学的強みと弱みを、客観的な仕方で理解し、批判し、再吟味するように、生徒を導く権限が与えられるべきである。」

もちろんこれに加えて、ルイジアナ州の2008年理科教育法令がある。これはルイジアナの諸学校に、「学習される科学的諸説――進化、生命起源、地球温暖化、人間クローン作りなどがあるが、それに限らない――について批判的に考え、論理的に分析し、とらわれない客観的な議論をする環境の創造と醸成がなされる」ことを要求するものである。

「公平な結果は、それぞれの問題の双方の側の事実と主張を十分に述べ天秤にかけることによってのみ得られるものである」と書いたダーウィンは、おそらく彼の理論の現代版を、なおも科学的なやり方であえて取り扱い、厳しい批判的な吟味にかけようとする者たちがいることに満足することだろう。しかしダーウィンの末日信徒たちは、ダーウィンの考えが学生からの真剣な質問にさらされるかもしれないことに戦々恐々としているのだ。今、このパニックがニューヨーク・タイムズ紙面 によく現れている。

もしあなたがニューヨーク・タイムズ流の虚偽のきまり文句と、ダーウィン・ロビーの独断専横にあきあきして、進化論教育における学問の自由を支持しようと思われるなら、AcademicFreedomPetition.comを開いてみていただきたい。

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