インテリジェント・デザインとは


 1990年代後半、アメリカの科学者の間から起こり、抵抗を受けながらも浸透しつつある新しい科学のパラダイム。宇宙自然界に起こっていることは機械的・非人称的な自然的要因(原因)だけでは説明できず、そこには「デザイン」すなわち構想、意図、意志、目的といったものが働いていることを科学として認めようという理論かつ運動である。これまで科学の前提であった自然主義(唯物論)という方法と哲学が、時代に合わなくなったという認識のもとに、これに見切りをつけて新しい地平を開こうとする。特に、公認学説となっているダーウィニズムに批判の矛先は向けられるが、生物学だけでなく科学一般、特に宇宙論にこの新しい科学の枠組みは及ぶ。

 「インテリジェント・デザイン」理論は、この宇宙が(次元的)外部へ開かれたものであって、自己充足的な閉鎖系ではないと考える。自然界に、知性あるものの「デザイン」の事実が「経験的に検出可能」なものとして証明しうる以上、何らかの超自然的「デザイナー」の存在を想定しなければならない。従ってID理論は、超越的世界に開かれたものであると同時に、経験的・実証的な科学としての条件を満たしている。その意味で、IDは従来の創造‐進化論争に対して第三の観点を提供するもの、あるいは宗教と科学をつなぐ理論と言われる。

 このパラダイムの切り替えが、新しい科学的発見につながることが予想される一方、その社会的・文化的意味も大きく、それは我々の唯物論的文化の体質を変え、生き方を変えていく可能性をもつという意味で、文化大革命とも呼ぶべきものである。

 *より詳しくは、以下の以下を参照ください。

 

創造デザイン学会