発想を転換せよ:宇宙で最も強いのは心

世界日報 2012.11.20
渡辺 久義

 デイヴィド・ウィルコックの大著『根源の場の研究:2012年予言の背後にある隠れた科学と失われた文明』は、私がこれまでに読んだ最も驚くべき本だが、これは他の誰にとっても同じはずである。それは当り前であろう。何しろこの本は、人類が(少なくとも記録上)今までに経験したことのないことが今起こりつつあると言われる、その出来事がいったい何であるかを学術的に解明する、長年の研究を踏まえた本だからである。昨年8月に出版されたばかりなのに、すでに(日本語を除き)世界の主要言語に翻訳されているという事実は、いかに世界の関心が高いかをうかがわせる。これも当たり前だ。誤解とは言え世界が終わるという風評があり、いやそうでない、終わるのは世界でなく一つの時代であって、むしろ「黄金時代」が始まる、と異口同音に言う人々が多く現れているというのに、全く無関心というのは、家が燃えているのに中で遊んでいる(法華経比喩品の)子供のようなものだ。
 こんなことはニュースにもならず、問題があまりに大きすぎて話題にもならず、従ってほとんどの人が知らないでいるというのは頷ける。しかしこれは、そういう人々が真剣に生きていない証拠でもある。にわかに慌てふためく人々に、ウィルコックは言っている――この時代転換が問いかけているのは「あなた自身の問題だ。あなた自身の核心が何であるのか、人間とは何であったのかを問うこと、…あなたの過去のすべてを煮詰め、自分は本当のところ何であったのか、これまでのすべての時間の後で、自分は本当のところどれくらい進歩したのかという問題に向き合うことだ。」――そういった問題に見向きもしなかった我々の文化や教育に、いよいよツケが廻ってきたと考えればよい。
 ではいったい何が起こるのか? 今年12月21日(冬至の日)を境に何が起こるのか? 何のことはない、我々は一斉に死ぬのである。私は去る6月、この欄でこの問題を論じたとき、「死」という概念が変わるようなことが起こるかもしれない、と書いた。我々はこれまで、「悟り」とは、ある特定のすぐれた人が特定の修行をしてたどり着く境地だと思っていた。いわば人ごとであった。今起ころうとしているのはそうではない。集団的・強制的悟りであって、地上の人間が一斉に悟りを開かされるのである。悟りを開くというのは、この世界の次元からより高い次元に移行するということである。これはこの世界に対して「死ぬ」という体験であるはずである。この「死」が嫌な人は、本当に死んでいただくよりほかないということになる。「哲学とは死ぬ訓練だ」とソクラテスは言った。ホーキング博士のように「哲学は死んだ」、唯物論科学だけが信用できる、と考えるような人々は困ったことになる。
 発想を新時代仕様に根本から変えることだ。この本に紹介されている驚くべき例を一つ引用しよう――
 「2年にわたって、約7000人からなるグループが3度会合した。これらの会合の間に、彼らは世界中のテロ行為を、72パーセントという驚くべき割合で減らすことができた。明らかに、このようなすばらしい戦略の戦術的価値は、国家安全にとって計りしれないだろう。これらの人々は外交官、政治家、それとも次の攻勢を企む軍の計画者だったのだろうか? 塹壕に身を潜めて、砲火の中で人々を救う平和活動家だったのだろうか? 政府の建物の前に集まって変化を要求する抗議グループだったのだろうか? いったい何を彼らは行ったのだろうか?
 その答えは、宇宙が働く本当の仕組みについて我々が考えているすべてを、すっかり変えてしまうかもしれない。これらの人々は集まって、愛と平和の想いをこめて瞑想しただけだった。覚えておいてもらいたいのは、これは科学研究であり、Journal of Offender Rehabilitation誌に受理され発表されたものであることで、彼らは(テロの)サイクル、傾向、天候、ウィークエンド、祝祭日、その他あらゆる変動因子を除外した。だからテロリズムの72パーセントの減少は、彼らの瞑想によって起こったものであって、他の原因によるものではありえない。」
 もう一つ紹介しよう――
 いわゆる「ウソ発見器」の開発者バックスターは、これが人間に対しては完全に有効なことがわかった後で、妙なことを思いつき、部屋にあったある鉢植えの植物にこれを試してみした。植物といってもわずかな意識はあるから、電極を取り付ければ小さな波形は現れる。そこで彼はペンでこれを叩いてみた。何も起こらなかった(波形は変わらなかった)。次に葉の先を熱いコーヒーにつけてみた。やはり何も起こらなかった。そこで彼は少し乱暴な手段を考え、この植物を火で焼こうと思って、隣の部屋へマッチを取りに行った。その途端、計器の針は大きく跳び上がった。それはまだマッチを擦る前だった。(そのグラフはこの本の15ページに出ている。)
 この世界のすべては心で動いている――宇宙で最も強いのは心だという有無を言わせぬ証拠がここにある。

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