The Washington Times

「新無神論者」は現実に何を信じているのか?

Michael Egnor
October 21, 2010

少し前に、SandwalkというサイトでLarry Moranがこう挑戦した――

「何も知らない」無神論者たちは、神の存在を証すまさに最上の議論を無視している、などと泣き言をいうのをもうやめたらどうだ。君たち有神論者や妥協信仰者に言いたい――口で言うより現実に見せてみろ。「廷臣の返答」(見た者は誰もいないではないか、という議論)の陰に隠れていないで、何か実体のあるものを示してくれ。天使でも見たいものだ。…私は断言するが、神の存在のどんな新しい、進んだ(sophisticated)証拠だろうと、すでに「新無神論者」が論じていないものはないということを、有神論者は全く気付いていない。彼らはただ、有神論者の仲間のために煙幕を張って、知的な困惑から彼らを護ろうと、ひたすら煙を吐いているだけだ。

これに対しては551通のコメントが寄せられたが、有神論側のどれ一つとしてモランを満足させるものはなかった――

私としては、誰一人として、現代的な「進んだ」議論と言えるようなもので、Gnu Atheists [New Atheistsをからかう言葉、gnuは動物のヌ―、無知に通 ずる]の不意を突いたようなものはないと言わざるをえない。したがって私は勝利を宣言する。

しかしNew Atheismを支持する議論についてはどうなのか?「新無神論者」の言っていることをざっと読めば、彼らは次のことを繰り返しているのが明らかだ――

1)神々は存在しない。
2)有神論者は馬鹿(IDiots)だ。
3)カトリックの坊さんは子供に性的いたずらをしている。

もちろん新無神論の言うことはこれだけではない。旧無神論のあるもの(エピクロス、ルクレティウス、ヒューム、ラッセル、クワイン)はかなり深いものだった。新無神論はこれに勝るものでなければならない。「理性」、「現代科学」、Bright [最近できた名詞、atheistだがatheistよりすぐれているらしい]など。

私は、新無神論者が本当のところ何を信じているのかについて、もっと知りたい。そこでモランにいくつか質問してみたい。もちろん他の無神論者(Myers, Coyne, Novella, Shalittなど)が、それぞれブログで答えて下さってもよい。こちらも返事を差し上げる。

質問は以下のようなものだ――

1)なぜもの(何でも)が存在するのか?
2)何が宇宙を生ぜしめたのか?
3)なぜ規則性(法則)が自然界にあるのか?
4)アリストテレスの言う自然界の4つの原因(質料因、形相因、作用因、目的因)のどれが本物なのか? 目的因は存在するか?
5)なぜ我々は主観的経験をもつのか――単に客観的存在ではなくて?
6)なぜ人間の心は志向的(intentional) なのか?――それ自体ではないあるものに意識を向けること、「について」を意味する哲学用語だが。
7)道徳法則はそれ自体で存在するのか、それとも何か自然(自然選択など)の作り出したものか? 
8)なぜ悪が存在するのか?

私は、それぞれの項目について論文を書いてくれと言っているのではない。有神論者は答えのすべてを握っているわけではない。新無神論者も同じだろうと思う。しかし形而上学的伝統のそれぞれの流れ――カトリック、プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教、仏教、アニミズム、旧無神論、そしてなんとサイエントロジーやラエリアンでさえ――がこれらの少なくともいくつかの質問に(当否は別 として)答えてきた。新無神論者はこれらにどう対応するのか? これらの質問の一つひとつについて、対話のきっかけとなるような、ほんの短い首尾一貫した言葉でよいから聞かせてほしい。質問のどれかが難しすぎるというなら、そう言って飛ばしてもらって結構。直ちにこちらからも返答を掲載する。こっそり覗くだけということはない。

ルールは以下の通り――

1)答えは、有神論の弱点(たとえば「誰が神をつくったのか?」)だけに限らないこと。私は新無神論の信念の説明を期待しているのであって、有神論の信仰の批判ではない。互いの批判は、それぞれの信仰がテーブルに乗った上で始まる。もし新無神論の信仰が、他人の信仰の否定によってしか表現できないというなら、そう言ってほしい。
2)P・Z・マイヤーズの「廷臣の返答」という先手は結構だ。もしある質問がナンセンスだと思うなら、そう言ってほしい。
3)話題を変えるのは無しにしよう。前の質問に答えた後なら、新しい質問を歓迎する。
4)「スナーク保存則」が適用される――すなわち、よく考えた礼儀ある応答に対しては、よく考えた礼儀ある返答がなされる。

私は、新無神論者が本当のところ何を信じているのかについて、もっと知りたいのである。

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