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「賢明なID弁護」――ワシントン・タイムズ『細胞の中の署名』評

Anika Smith
August 19, 2010

スティーヴン・マイヤーのSignature in the Cellがペーパーバックで手に入るようになり、この本はますます広く注目されるようになったが、Anthony J. Sadar教授が本日のワシントン・タイムズに考え深い書評を載せている――

『盲目の時計職人』で無神論者のリチャード・ドーキンズは、「ダーウィンは知的に満たされた無神論者になることを可能にした」と言った。今、スティーヴン・C・マイヤーの『細胞の中の署名――DNAとインテリジェント・デザインの証拠』のペーパーバック版が出るに及んで、有神論者たちは、「マイヤーは知的に満たされた有神論者になることを可能にした」とこぞって応答することができる。実際この本でマイヤー氏は、「キリスト教的有神論者として、私はこのID理論の含む意味を〈知的に満足させる〉ものと考えている」と述べて、このコーラスを先導している。


しかし、『細胞の中の署名』がID理論を、宗教的な、あるいは形而上的な観点ですら弁護するものと考えるなら、それは間違いである。なぜならこの本は、生命起源についての厳密に科学的な論証として――少なくとも、ネオダーウィニズムのような純粋に唯物論的な説明と同じくらいに厳密に科学的に――IDを強力に弁護するものだからである。

ここにはダーウィン進化論とインテリジェント・デザインとの方法論的同等性を正しく捉えている評者がいる。果 たしてサダル教授は、その両方を教えるのが教育的に妥当だと考えている――

この秋からジュネーヴ大学で、私は「IDと進化論」というコースを教えるが、その  際、IDと進化論の双方を支持する最も近づきやすい情報を用いると授業計画書に書いた。講義の「テキストブック」として私は、IDの見方については『細胞の中の署名』を、進化論の立場を弁護するものとして、はドーキンズの最も新しい本The Greatest Show on Earth: The Evidence for Evolution(邦訳『進化の存在証明』)を選んだ。私はこの講義によって、全部ではないにしてもほとんどの大学講義が狙いとするものが達成できたらよいと思っている。それは、学生が重要な話題について展望を与えられ、現代思想を賢明に評価する批判的な思考法を身につける機会を与えられることだ。

サダル教授が、十分な論争に対して学生たちの目を開かせ、「展望を与え」「批判的な思考法を身につけ」させようとしていることに、賛辞と激励を送りたい。サダル先生の授業は定めし面 白いことであろう。彼の書評は確かにそういうものだ。その全文はここ(リンク)にある。

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