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IDに開かれた査読付き科学誌Bio-Complexity創刊

Jay Richards
May 1, 2010

創刊された科学ジャーナルBio-Complexityは、ID論争を促進し、その意識を高めることを目指している。この雑誌の自己説明によれば、その目的は、本来のピア・レビュー(査読)の厳しさ・責任と、IDに関する論争に開かれた編集方針を結びつけることである。それは一般 のアクセスが自由で、誰でも無料ですべての論文をダウンロードすることができる。

次にこの雑誌の公表された目的を引用する――

Bio-Complexityは、独自の目標をもつ査読付きの科学雑誌である。それは、インテリジェント・デザイン(ID)が信頼に足る生命の説明であるという主張の科学的価値を検証するための、主導的な議論の場となることを目標とする。生物における情報の役割と起源に関する諸問題がIDに関する科学的論争の中心にあるのだから、あらゆる角度と視点から見たそのようなテーマが、この雑誌の扱う範囲の中心となる。

この目的を達成するために、Bio-Complexityは、科学を機能させる批判的見解の交換という原理に基づいて創刊された。特に、この雑誌の編集やレビューをする人たちは、IDの価値について幅広い見解をもつと同時に、この種の問題を解決するための科学の重要さについて見解を同じくする、関連諸分野の専門知識をもつ人たちである。われわれの編集者たちは、提出された論文が考慮と批判に値するかどうかを決定するのに、彼ら自身の判断に従って専門的な査読を行う。Bio-Complexityの目標は、単にこの基準に合う仕事を公表するだけでなく、専門家によるそれへの評価・批評をも合わせ発表するところにある。

長い間、デザイン理論による研究を行おうとする科学者や他の学者たちは、Catch-22(どうすることもできぬ ジレンマ、Joseph Hellerの小説の題名から一般化した)に直面 しなければならなかった。大きな科学のアイデアは本の形で現れることが多いが、専門化された科学の大半は、査読を経た発表過程によって展開するものである。しかし同時に、この問題について少しでも心得ている者なら誰でも、科学雑誌に投稿する論文であからさまにデザインを議論することは、その論文が日の目を見ないようにするための確実な方法であることを知っている。しかしそうした状況も変わりつつあるようだ。

最近“Climategate”(地球温暖化のデータ改ざん・批判者抑圧事件)論争からわれわれが学んだように、ピア・レビューという考え方の長所にもかかわらず、それはしばしばイデオロギーの関門として利用されることがある。これはIDにおいて最もはっきり現れた。したがってID寄りの科学者は、科学的発表に際してこの主題を避けることを余儀なくされるか、または、デザインに関係した証拠を扱うときには、言葉を省略してIDとの関連がわからないようにするのである。

これがCatch-22(ジレンマ)であるのは、批判派がIDは科学でないと言い、その理由として、IDの論文はピア・レビューを受けた文献に見当たらないと主張するからである。(それは本当ではない。ただ明瞭にID寄りの論文は、文献では極力過小評価されるということにすぎない。)

しかし、とあなたは尋ねるかもしれない、そうは言っても、IDを公平に扱おうとする捉われない雑誌編集者がどこかにきっといるだろうに、と。確かにそういう編集者が一人いたことを私は知っている。彼リチャード・スターンバーグは数年前、IDの見方を擁護するある人の論文を査読に出し、それがパスしたのでスターンバーグはこれを発表した。彼のような捉われない心をもった編集者が他にもおそらくいることだろう。そしてその人が同じような論文を査読に出そうとしても、そんなことをすればどうなるか、スターンバーグ事件が教訓になっているのである。

したがってBio-Complexityのような雑誌がどうしても必要となる――特にIDへの反対が特別 に強い生物科学の諸分野においては。その編集委員会は、IDの価値について異なる見解をもつ科学者の国際グループからなっている。しかしその全員が一致して、この問題の判断において公平で正直な態度を取っている。彼らが彼らの努力に対して熱した反応を受けるのは確実だ。だからこそ彼らは、公平で捉われない考え方の交換を大切にすることが望まれる。
もちろんこのジャーナルそのものは、証拠が提出され、弁護され、反論され、批判されるための議論の場にすぎないのであって、IDの広告機関として意図されたものではない。IDの科学的価値は、当然ながらその内容にかかっている。今後を注目しようではないか。

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