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ひえーっ、彼らはオリジナル・データを棄てちゃったとさ、これじゃ言われる通 りを信じるほかないぜ

Michael Egnor
December 1, 2009

ロンドンのサンデー・タイムズ(Nov. 29, 2009)から引用する――

イースト・アングリア大学(英、University of East Anglia)の科学者たちは、彼らの地球温暖化警告の根拠となっている生(なま)の温度データの多くを廃棄したことを認めた。これは他の研究者たちが、過去150年にわたって温度が上がり続けていることを示していると言われている基本的判断を、確かめることができないことを意味する。UEAの気象研究ユニット(Climatic Research Unit,CRU)は、「情報の自由」法制化に伴ってデータ公開を要求されたのに対し、それが失われたことを認めざるを得なかった。

世界の主導的気象学者たちが今、提言されている世界の管理と経済の再構築の根拠となっているグラフを作るのに彼らが用いた生のデータが、もはや存在しないことを認めた。「うーん、先生、実は僕のシロクマが生のデータを食べちゃったんです…」

このデータは世界中の気象観測所から集められ、その上で、記録が取られた方法の変動を考慮して調整されたものである。修正された数値は保存されているが、その元のもの――紙や磁気テープに蓄えられたもの――はCRUが新しい建物へ移転したときにスペースがなかったために廃棄されたという。

「おい、フィル、おれたちはもう助成金を置く場所がなくなったんだ。何かをどかさないと… そうだ、隅っこのあれを棄てようじゃないか――」

この告白がなされたのは、CRUの主任Phil Jones教授によってやり取りされた1千通もの私的なeメールが漏えいした後のことである。これらのメールで彼は、このようなデータにアクセスしようとする懐疑的な気象学者の野望を挫こうと議論している。そのウエブサイトの声明でCRUはこう言っている――「我々はオリジナルの生のデータは持っていない。あるのは付加価値をもつ(value-added)つまり質をコントロールされ均質化された(homogenised)データだけである。」

データに付加された価値とは、この「研究」に関して我々がトイレに流した800億ドルのことである。

CRUは、過去の気象や温度を再構築する世界の主導的な研究センターである。気象変化を疑問視する人々は長い間、データがどのように編集されているのかを知りたがっていた。それが今は不可能となった。

なんと、私はてっきり「データがどのように編集されているかを正確に調べる他の科学者」――結果 の再現テスト――が、この科学的結論が真実であるとして受け入れられる前に存在しているのだと思っていた。

コロラド大学の環境学教授Roger Pielkeがオリジナルの記録を見せてほしいと求めたとき、データが失われていることが分かった。「CRUが基本的に言っていることは〈私たちを信ぜよ〉ということなのです。科学で疑問を解決するとか論争に決着をつけるとかいうのは、そんなものです」と彼は言った。

しかし地球温暖化とはこの惑星にとって死活の脅威ではないか、なぜ結果 の再現テストなどに時間を浪費するのだ? チャールズ皇太子は、この惑星を救うのに残された時間は96カ月しかないと言った。それも5か月前のことである。

1980年代にこのデータが棄てられたとき、ジョーンズはCRUの責任者ではなかった。そのときはまだ気候変化がそれほど緊急の問題とは考えられていなかった。失われた資料は、世界が過去157年間に0.8C温度が上がったことを示す、彼のライフワークであったデータベースを作るのに用いられている。
 彼と彼の同僚たちは、この温度の上昇は、人間によって生み出される、温室効果 をもつガス排出に「間違いなく」結びついていると言っている。彼らの発見したことが、地球温暖化は人類にとって脅威だと言っているIPCC(気象変化に関する国際政府調査会)によって用いられている、主たる証拠の一つなのである。

「解決済み科学」の新しい定義――どんなにしても決して確かめることのできない科学。

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