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「ジャンクRNAなどというものはない」ことを示す実験データ
―「科学の足を引っ張る」のはどちら?

Casey Luskin
October 23, 2009

当初、ネオ・ダーウィニズムの唱道者たちは“ジャンク”DNAを、生命が盲目的でランダムな突然変異の所産であることを示す、機能をもたない遺伝子のゴミだとして持てはやした。その後、“ジャンク”DNAは、DNAの大部分がRNAに転写 されていることが発見されて、その間違いが証明された。このダーウィニストの前提(思い込み)の間違いが分かって、進化論者たちは彼らの生物学的“ジャンク”との恋愛をやめただろうか? もちろん、やめたりしなかった。彼らは議論をずらして、細胞は“ジャンク”RNA―RNAに転写 されはするが細胞の中ではやはり何もしていないDNA―に満ち満ちていると主張しただけだった。今年早くに我々は、“ジャンク”RNAに機能があることを示唆する『ネイチャー』の論文を紹介した。そして現在、『サイエンス・デイリー・ニュース』に載った記事がこの発見を確認しつつある。「“ジャンクRNA”などというものはない、と研究者たちは語る」という適切な題をもつこの記事は、usRNA(unusually small RNA、異常に小さいRNA)と名付けられた非常に小さなRNAのひもが、遺伝子制御に関する重要な機能を果 たしている、とそれは報告している。

またしてもダーウィニズムの“ジャンク”信仰者たちは、このような発見を隠していた様子で、著者たちによると、「実験を行ってみて初めて我々は、単なる細胞のゴミと考えていた15のヌクレオチドしかないRNAが、驚くほど安定していて、繰り返し複写 しながら、正確に、異なった種類の組織の間で作り出されていることを理解した。…我々はこれらをusRNAと名付けたが、何千というこのようなRNAが、我々の研究で見出された他のすべての長いRNAを、はるかに上回る多様性(種類)で存在していることを突き止めた。」この研究の著者の一人Dr. Bino Johnは、「これらの発見はusRNAが生物学的過程に深くかかわっていることを示唆するもので、我々は研究をさらに深めるべきだ」と結論している。

彼らが現在、実りある研究へのよりよい道を歩み出したのはうれしいことだが、この進歩は、科学研究を先導するものとして、進化論的前提でなく、実験的データ容認されて初めて可能になったと思われる。ダーウィニズムに基づく“ジャンク”信仰が、機能しない進化上のゴミと思われていた生物学的特性に、現実の機能を発見する研究を妨げてきたことは、今や秘密ではなくなっている。2000年の『サイエンス』のある記事は、“ジャンク”という考え方が、このように重要な遺伝的構造の機能の研究から「主流の研究者たちを遠ざけてきた」ことを説明している――

魅力的なキャッチフレーズだが、この「ジャンクDNA」という言葉は、長年にわたって、コードしないDNAの研究から「主流の研究者たちを遠ざけてきた。」少数のゲノム浮浪者を除いて、いったい誰がゲノムのゴミをあさろうとするだろうか? しかし科学の世界にも日常の世界と同じく、あざけられる危険を恐れることなく人気のない領域を探究する浮浪者たちがいる。彼らのおかげで、ジャンクDNA、特にその反復する要素の見方が、1990年代初期に変わり始めたのである。今日では、ますます多くの生物学者たちが反復要素をゲノムの宝として見るようになっている。」(Wojciech Makalowski,“Not Junk After All,”Science,Vol.300(5623):1246-1247 (May 23, 2003).)

また2003年には、研究者 John Mattickが『サイエンティフィック・アメリカン』に、ある種の“ジャンク”DNAを機能するものと認めなかったことは、「正統派が事実の客観的分析の道を踏み外した古典的な物語で、分子生物学の歴史の最大の過ちの一つとして後世に伝わるであろう」と述べている。

もちろんIDパラダイムがあれば、“ジャンク”DNAも“ジャンク”RNAも機能をもつことは初めから予言できたであろうし、おそらくもっと早い時期に、主導的科学者が「研究をさらに深める」ようになっていたであろう。

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