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インテリジェント・デザインを禁忌(タブー)にしようとする試み

By: Casey Luskin
March 20, 2009

進化論者が、インテリジェント・デザイン(ID)の明らかな死を、いかに絶えず繰り返し宣言するものかは、常に面 白い見ものである──「本当に、今度こそIDは確実に死んだ!」 私たちは、これにはかなり慣れているのだが、彼らがIDの(宣伝された)終焉に不健康な喜びを感じているらしいことが露わになるとき、少し気味が悪くなる。まさに最近のそうしたケースが、全米科学教育センター(NCSE)のセンター長であるケヴン・パディアンとNCSEの前スポークスマン、ニック・マツケによる「Biochemical」誌1月号での「批評論説」の発表であった。この論説は、「IDの立場は崩れた」と主張し、「科学的にあるいは哲学的に誠実な者は、今後は誰もディスカバリー研究所もしくはIDを、まともに相手にすることはないだろう」 と大喜びで断言している。

私がニックのその言葉に異議を唱えると、彼は「私の立場は、あの論評の通 りだ」と応じた。そして、「Biochemical」誌は明らかに、世界中の研究者にパディアン&マツケの論文を読ませたいのであり、それを無料で雑誌のウェブサイトで見られるようにしている。さらにそれは、もっと広く読まれている学術雑誌である「The Biochemist」―生化学学会の会員雑誌―の2月号にも再掲されたという話である。

けっこうだ。私は、科学者が科学雑誌にIDを批判する見解を発表することに異論はない。IDの批判者には、根拠と科学的な議論によって、人々を説得しようとするあらゆる権利がある。パディアン&マツケの主要論説は、その分野の状況を要約しているものと当然期待される種類の論文である。しかしそれは、根拠と議論による説得ではなく、ベールをかけた脅しと、少しのもっとあからさまな侮辱によって、説得しようとするものである。このような学問の自由への侮辱は、IDに反対するか支持するかに関わらず、誰もが関心を持たざるを得ないものである。さらに説明をさせていただきたい。

あなたがID支持の生物学研究者であり、そして、一流の研究雑誌に掲載された主要な批評論説(編集者の論説でもなく、編集者へのレターでもなく、批評論説)が、「科学的にあるいは哲学的に誠実な」者は、誰も「今後はまともに」IDを取りあげないだろう、と宣言しているのを想像していただきたい。そうした声明の効果 はどのようなものであろうか? その効果とは、権威ある論者が、その分野にいるあなたや他の者たちに、「IDをまじめにとりあげる」ことを単にほのめかすだけでも、あなたはあらゆる嘲笑の的となり、あなたの誠実さは傷つくだろう、というメッセージを送ることなのである。 

こうしたやり方は、根拠と議論は二の次で、ただその人への攻撃が全てなのであり、もしあなたがIDを支持するならば、あなたは誠実さを欠くことになる。科学と学問の世界では、世評と誠実さには重大な意味があるので、これは実際上IDのにおいのするどのようなものも、タブーとすることになる。そのメッセージはこうである――「IDをまじめにとりあげることは、あなたの経歴の健全さに害となるだろうから、あなたの心からそうした考えを追い払い(あるいはそれをただ自分の内部に留め)、きちんと隊列に入りなさい」。

こうしたメッセージは、一般的に言って、真理探求の自由と科学の進歩にとって危険である。しかし、まさにこれこそがNCSEが伝えているメッセージなのである。そして、科学界の特定の有力な派閥は、こうした努力によって彼らに恩を売ることに大いに満足なようすである。

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