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暴かれることへの怖れ
―学問の自由阻止のため闘うダーウィニスト―

By: Joe Renick
The Albuquerque Tribune
March 28, 2007


「創造論者たちは消え去らない。ただ彼等は小細工を弄するようになった。」

これはDave Thomasが『ザ・トリビューン』に寄せた論評(「インテリジェント・デザイン支持者が宣伝の新しい方法を創造」3月13日付)の締めくくりの言葉である。この論評は、創造論者による進化論攻撃が、今度は学問の自由の法制化という形で現れたと言って、警戒を呼びかける趣旨のものである。

この法制化の主たる目的は、「生物の起源についての理論を教える際に、教師は、その理論の長所と短所に関する科学的情報を、客観的に学生に伝える権利と自由を与えられ、教師がそうしたことによる配置換え、契約解除、懲戒その他の不利益から保護されるように」そして学生には「生命の起源についての彼ら独自の結論に達する権利と自由」が与えられるようにすることである。

トマスは、この法案は学問の自由に関するものとはいえ、その意図は教室で創造論を教えることにあると警告する。

この法制化の草案作りに参加した者として、私は、これはこの文言通りのことを言っているのであって、それ以上、それ以下のどんなことをも意味していない、と言うことができる。

弁護士の勧める方策にこういうのがある――「もし事実があなたに有利なら事実を主張せよ。もし法律があなたに有利なら法律を主張せよ。もしどちらもあなたにとって不利なら、話題を変えて相手の動機を追及せよ。」しかり! これこそまさに、ダーウィニストの手引書にあるものだ。

ところで、この敵対者の動機を追及するやり方は、諸刃の剣になりうる。あなたは相手の隠れた計画を暴こうとするかもしれないが、それは逆に、あなた自身の最も怖れていることを暴露してしまう危険がある。

トマスはこうした法的措置の文言に多くを読み込もうとするが、彼が読み込むものは彼自身の恐怖症の反映である。彼の最大の悪夢は、聖書的創造論が公立学校の教室で教えられることでなく――そんなことは起こらない――ダーウィン理論の証拠上の弱点が暴かれることである。

しかし実を言えば、ダーウィニストが本当に怖れるべきものは、学問の自由の法制化でも、科学資料の理科教師への配布でもない。今日、ダーウィニズムという独断的教説にとっての最大の脅威は、科学そのものである!

生物諸科学における革命が静かに進行している。システム生物学(Systems Biology)と呼ばれる生物学の新しい領域の全体が、過去10年か15年の間に現れてきた。この革命は今日、生物諸科学にとって、20世紀初めの物理学における、古典物理学から量子物理学や相対性理論への移行と同じくらいに、深遠かつ深刻なものである。

この興奮させる新しい領域では、研究はダーウィン原理によってでなく、デザイン原理によって導かれる。なぜなら、デザインとしか見えない諸特徴を説明するには、デザイン原理が必要だからである。

今日行われている公立学校での進化論教育は、それが大きく基礎を置く20世紀半ばの生物(学)理解に、凍結されたままになっている。生物諸科学の研究がそのような理解をはるかに超えて前進したのは、ダーウィン原理による生物の複雑さの説明が、絶望的に不可能だからである。

公教育は困難な問題に直面している。どうやって我々は、20世紀半ばの理解でなく、現在の我々の生物(学)理解を反映するように進化を教えることができるだろうか?

現代科学はキリスト教ヨーロッパに起こったもので、それ以外のどこでもない。そして科学を生み出したのは合理的なキリスト教神学であった。科学と宗教の争いはガリレオとともに始まったという一般に受け入れられている信念は、神話にすぎない。

そのような争いはなかった。そして現実のガリレオとローマ・カトリック教会との衝突は、一介の科学者が強力で独断的な教会と張り合うといった、単純で一面的な神話的物語よりはるかに興味深いものである。

今日、科学と宗教の闘いと称するものは、唯物論思想を援助するための政治的策動として、19世紀に作り出された神話として存在している。その神話が20世紀を通じて維持されてきて、広く真理とみなされるようになったのである。

この策略の成功は、ダーウィンの番犬と言われるトマス・ハックスレー(とエルンスト・ヘッケル――訳者)に負うところが大きい。彼はダーウィン理論に科学的価値はあまり認めなかったが、キリスト教にとって代わる新しい世俗宗教の基礎を提供するものとして、この理論に極めて大きな価値を見出した。彼は19世紀末のもろもろの要請に応ずるには、キリスト教は無力であると考えた。

そして彼は公立学校こそ、この新しい宗教を広めるための手段であると見た。

ダーウィニストたちが学問の自由を怖れるのは、進化論のこの弱みを暴かれるのが怖いからである。そして、もしこの弱みが暴かれると、公教育は、ハックスレーが目論んだような、唯物論信仰を広める手段から一転して、その衰退を早める手段になるのである。

(レニックは研究会社勤務の技師、「IDネットワーク」のニューメキシコ支部長)

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