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還元不能の複雑性、挑戦によって崩れず

スタッフ
Discovery Institute
April 6, 2006

シアトル発――インテリジェント・デザイン(ID)をめぐる論争など存在しないと言い続けてきた数年ののち、これに反論しようとする生物学者たちによる論文が「サイエンス」誌最新号に載った。Jamie Bridgham、Sean Carroll、Joe Thorntonの三人の研究者は、ディスカヴァリー上級研究員Michael Beheの示したような還元不能の複雑性をもつシステムは、遺伝子複写 と数箇所の点的変異の結果として生じた可能性があることを証明したと主張している。

「これは些細な結果に基づいて誇大な主張をする、古めかしいダーウィニズムの伝統を継続するものだ」と、ベストセラーとなった『ダーウィンのブラックボックス』で「還元不能の複雑性」理論を展開した生化学者マイケル・ビーヒーは言った。「この論文には、ID主唱者が、ランダムな変異と自然選択を超えると考えるであろうようなものは、何も含まれていない。言い換えれば、これはわら人形だ。」

ディスカヴァリー・インスティテユートのウェブサイトに掲載されている反論「ID The Future」(www.idthefuture.com)において、ビーヒーはこう説明している――「論者たち――「サイエンス」論評欄のChristoph Adamiを含めて――は「還元不能の複雑性」を、都合に合わせてずっと下方で定義しようとしている。私は彼らのシステムを、とうていirreducibly complex(IC)なものとして分類しようとは思わない。私がDarwin's Black Box で論じたICシステムは、多元的で活動的な、タンパク質の諸機能をもつものである。これに対して彼らの「システム」とは、ただ一個のタンパク質とそのligand(配位 子)からなるものにすぎない。自然界においてレセプターとリガンドは、生物学的な機能をもつより大きなシステムの一部ではあるが、彼らが取り出すその大きなシステムの一部は、それ自体ではどんな仕事もしない。言い換えると、彼らが取り扱っている孤立した構成部分は還元不能に複雑なものではない。」

ビーヒーの反論に加えて、次の金曜日、ディスカヴァリーの「科学と文化センター」は、生物哲学者のDr. Paul Nelsonと科学哲学者のDr. Stephen Meyer によって書かれたこの研究の分析を発表する予定である。

「実験では、ただ二つのアミノ酸残基が変わっただけで、いかなる新しい構成部分も加えられず、いかなる古い構成部分も取り去られなかった」と、ビーヒーは付け加えた。「このようなきわめて小さな結果 が誇大に喧伝されるという事実は、多くの科学者がIDに対してもっている反感を示すものであって、実験そのものの本来の価値によるものではない、と私は強く感じている。」

「ダーウィニズム陣営が10年もかかってビーヒーのID理論を崩そうと試みた最大の結果 が、もしこの程度だとするなら、ネオ・ダーウィニズム理論はかなりの重症だということになる」と、「科学と文化センター」長のスティーヴン・マイヤー博士は言った。「実際ビーヒーの主張は、これを実験によって崩そうとする試みを重ねるごとに、ますます強固になっていく。」

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