ID主導者の一人であるジョナサン・ウェルズ博士へのインタビュー


 ここに掲載するのは、ID主導者の一人であるJonathan Wells博士の、注目されている生物学論文“Do Centrioles Generate a Polar Ejection Force?” (Rivista di Biologia / Biology Forum 98 (2005), pp.71-96.)について、IDURC(Intelligent Design Undergraduate Research Center)が行ったインタービューである。
 このジョナサン・ウエルズ博士へのインタビューは、2005年6月にダニエル・セルベラが行ったものである。ウエルズ博士は、「ディスカバリー研究所・科学と文化センター」の上級研究員。以下に示された見解は、必ずしもIDURCの見解ということではない。

 Q1.あなたの論文の意味しているものがもっと正しく理解されるような、歴史的背景を短く説明していただけますか? 簡単な言葉で、あなたの論文が提起していることの要約をお願いできますか?

 A1.それについては、おそらく昨年のバイオラ会議の後でISCIDのウェブサイトに掲げたものを参照してもらうのが一番良いだろうと思います。「科学的研究を導くためのインテリジェント・デザイン理の利用」というものです。(http://www.iscid.org/papers/Wells_TOPS_051304.pdf

 Q2.あなたは論文の中で、ご自分の仮説が証明されるのか、されないのかを確認するための3つの実験可能な予測を提示しています。そして、その結果が、「細胞分裂だけでなく、癌についも今よりもっとよく理解できるよう寄与するだろう」と述べています。どうしてそのような予測が、知的な原因(intelligent cause)を支持することになるのかを説明してくれませんか? あなたの論文の中に「インテリジェント・デザイン」という言葉を見つけられない素人の批評家は、何も進歩はないじゃないか、と考えるかもしれません。これは正確な評価でしょうか?

 A2.あの予測を確認することは、知的原因や知的デザイン(ID)というアイデアに対する直接的な支持を提供するものではないかもしれません。しかし、細胞分裂や癌に関するある種の重要な問題を説明することで、間接的にIDという考え方の枠組みが(「インテリジェント・デザイン」という言葉を使っても使わなくても)、有用な科学的発見を導くことができるのだということを示すものです。もちろん、一つの例だけでは十分とは言えません。それはただの幸運だったのかもしれない。私は現在、もっと別の例についても調べており、もしそれが実験によって確認されれば、IDは科学的研究をゆたかに導くという考えをさらに強く支持することになるでしょう。

 Q3.ネオダーウィン派のアプローチが、細胞分裂や癌の理解において同様の進歩を提供できるだろうと論じるような人々に対して、どのような点で、この現象に対する進化論的アプローチが劣っており、一方、目的論的な方法は成功するだろうということを示せるのですか?

 A3.ネオダーウィニズムによって導かれたほとんどの研究は、莫大な時間とお金の無駄遣いです。例えば、とても多くの科学者と毎年何百万ドルもの納税者のお金が現在、特定の生命体は共通の祖先を通してどのようにお互いに関連しているのかということに関する仮説(系統樹)の構築に費やされています。その結果は、ただ互いに対立するような雑多な推論だけで、何ら実際の益のないものでした。言い換えれば、ネオダーウィニズムに魅入られたために、貴重な公共の金を出口のない袋小路に追い込んでしまったようなものです。
 ネオダーウィニズムによって推進されてきたもう一つの金のかかる、しかし実りのなかった研究は、「種の分化」の研究です。進化論は究極的に、一つの種が突然変異と選択を通して別の種へと変化しうるという主張の成否にかかっているのですが、このことは一度も実証されていません。しかし、毎年何百万ドルという納税者のお金が、この特異なブラックホールに注ぎ込まれ続けています。
 系統樹と種の分化の研究に費やされた無駄遣いよりはるかに大きいのは、あれやこれやの特性や疾患の「原因遺伝子」を見つけることに費やされてきた公的資金です。このアプローチはネオダーウィニズムによって促進されているのですが(そこでは遺伝子の変化が進化の原因であると想像されています)、しかし、実際の臨床的に有益な結果を何一つ生み出しませんでした。例えば現在は、癌の根本的な原因は「染色体の不安定性」や遺伝子以外の構造の損傷であって、個々の遺伝子の変異ではないことが分かっています。ネオダーウィニズムに染まった生物学者は、染色体の不安定性を発見したのですが、それは、ただ遺伝子の変異にのみ注意を集中させていたネオダーウィニズムによって導かれてそうなったわけではないのです。
 これらやその他の点から、ネオダーウィニズムによるアプローチの劣等性は、ますます明らかになっています。IDのアプローチがより実りあるものだろうとはまだ言えないにしろ、現在、多くのIDに導かれた研究プロジェクトが進行中であり、私はそれが生医科学をめざましく進歩させるものと信じています。もしそうなれば、ネオダーウィニズムは急速に過去のものとなるでしょう。
 今後の展開を引き続き注目していてください。
 

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