進化か死か(1)

平和統一NEWS 44号(2012/4月号)
渡辺 久義

 今、(日本でなく)世界でインターネット検索の一番多いトピックは何か? これまでずっとトップであったポルノを追い越して、今検索件数がトップになっているのは「2012年問題」であるらしい。確かに「2012」に関連する(ほとんどは英語による)長いユーチューブや記事がとめどもなく出てくる。
 ご存知の方もあると思うが、これは正確には「2012年12月21日」で、古代マヤ文明の持っていた正確な長期にわたるマヤ暦が、この日(今年の冬至)で途切れているのだという。これは我々の今生きている時代のサイクルがここで大転換し、次のサイクルが始まるのだと一般に解釈されている。ネットから仕入れた知識によると、これはマヤに限らず、中国の「易経」、古代エジプトなどの古代文明、ホピ・インディアンやチェロキー・インディアンの伝説、ヒンドゥー教なども、同じ予言をしているという。
 肝心なのは科学的裏付けだが、この日、約2万6千年に一度しか起こらないgalactic alignment(銀河系一平面化、銀河中心と太陽と地球の直列現象)が起こるらしく、これと異常な太陽活動などによって、地球にかなり深刻な影響を及ぼす可能性があるという。ではこれは「世界の終わり」なのか? そうではなく、これは宇宙の「次元上昇」、宇宙意識のレベルアップが起こるのだと多くの人が口を揃えて言っている。どういうことか?
 これには、自分の瞑想体験を語るインド人(有名な方らしい)のユーチューブ「2012: Truth, not just Prophecy by Nithyananda」が役立つと思う。彼は瞑想しながら、このところ何か宇宙に異変が起こっていることに気づいているのだという。それはこれまでになかったことで、うまくコントロールができなくなり、宇宙意識を自分の内部の中心に引き寄せることができなくなった。これは宇宙意識そのものが重力を減ずるという異変が起こっているからだと言う。彼はこれを、これまでの思考中心の文明から活動中心の文明に切り替わりつつある証拠だと言う。私はその意味は、物質を中心とする論理や理知の文明が、情動や愛の文明に変わりつつある、今まで通りの意識レベルでは生きていけなくなった、ということではないかと思う。
 もう一つは、「2012 The Online Movie Final Update」という、20人近いエクスパートが登場する、3時間もかかるユーチューブだが、この中で印象的なのは、催眠セラピストだといういかにも威厳のある老婦人が語る話だ。彼女も体験として、時代が別の「次元」に移行しつつあるのを感じていると言う。彼女はカルマを脱する最も有効な方法は何かと訊ね、それは非常に難しいが「許すこと」だと言っていた。要するにこれも「次元上昇」によって重荷から解放されて軽くなることであろう。彼女の友人の女性があるヴィジョンを見た。それは地球がちょうど細胞分裂のように2つに分かれ、新しい地球が(脱皮のように)生まれる光景だった。古い方も残っていて、そこはひどい混乱や災害が起こっていた。しかし新しく生まれた地球は、スピードを速めて遠くへ飛び去った。新しい世界(時代)の波長に合う波長をもつ者だけが生き残る、ということらしい。
 ではどうしたら、新しい地球に乗り替えることができるか? これは私の見た限り、ほとんどすべての人が「それは我々自身の選択によるのだ」と異口同音に言っている。これは不思議なことである。今突然、大津波が押し寄せてきたら誰も選択などできないからだ。別次元に移行するということの意味が、私にはわからないからであろう。彼らはまた、我々は被害者ではない、我々の意識、特に感謝や愛が我々の住む世界を創るのだとも言っている。これはわかるような気もする。今までもそう教えられてきたからだ。しかし今、いよいよこれが単なる比喩や願望でなく、現実に起こる時代に否応なく切り替わりつつあるということであるらしい。
 日本語のサイトでは、日本語を話す外人の「2012 Renaissance Echan Deravy」の他に、「アセンション(次元上昇)は2012年がひとつのピーク」がわかりやすいと思う。そこではこう言っている――「アセンションとは、3次元から5次元へ移行することです。物質世界から意識世界への昇華になります。物質世界の重い波動を超越して、軽やかな、あるがままの自分に戻ることです。」「人類はこれからさまざまな〈産みの苦しみ〉を実体験することになります。しかし苦しみの程度は、人の心の状態によって違ってきます。エゴの強い人、気づきの少ない人ほど、大きな苦しみを味わうことになるでしょう。各予言の示すところによると、その苦しみは〈先に死んだ人をうらやましく思うほど〉であるといいます。」
 今のところ、私の知り得た最も信頼できると思われる、文章による2012年問題の解説は「2012- Transition of the Ages」だが、これを今から翻訳して我々「創造デザイン学会」のHPに載せる予定なので、ぜひお読みいただきたい。

2012年問題参考資料INDEX